【後編】コンポストサミット「循環と生きる を コンポストから始めよう」レポート/LFCコンポスト&キエーロ&金子みみずちゃんの家&EMボカシが参加!
鎌倉・材木座の「はつひので」とオンラインで開催した、コンポスト・サミットVol.00。「循環と生きる を コンポストから始めよう」をテーマに、日本を代表するコンポストの開発者のみなさんが集まり、コンポストの魅力を考え、コンポストの始め方を知る場となりました。このコンポスト・サミットの模様を文字起こしの形でお届けします。
※この記事は、前編・後編で構成します。今回は後編です。
前編はこちらに。
登壇してくれた皆さん:
LFCコンポスト たいら由以子さん(ローカルフードサイクリング代表)キエーロ 平野理恵さん
金子みみずちゃんの家 久保幸路さん(光和商事代表)、別府恵さん(光和商事みみず係)
EMボカシ 石川三剛さん(株式会社EM生活 環境改善事業部)
進行:松原佳代(composter)、小林ななみさん(はつひので)
前編でお届けした、LFCコンポスト、金子みみずちゃんの家のプレゼンテーションに続き、キエーロ、EMボカシのプレゼンテーションをお届けします。
生ごみ処理であれば、なんでも投入できるキエーロにおまかせ
平野さん:はじめまして。運営をやっている平野と申します。キエーロは微生物の力で分解するコンポストです。鎌倉に住んでいて、鎌倉、湘南を中心に活動しています。鎌倉市ではごみ袋が有料化されているので、燃やすごみと生ごみを分けてみると、燃やすごみが少なくなるので、有料袋の利用をかなり削減できます。そして、鎌倉市のデータになりますが、可燃ごみの42%が生ごみです。こちらが堆肥にできたり、消滅したりできるといいですよね。これまでのコンポストは堆肥にされるとお話されていたと思いますが、キエーロの場合は、消滅型です。堆肥にも使えますが、基本は消滅して、堆肥にも使わないのが特徴です。
このキエーロを開発したのは松本信夫さんです。葉山にお住まいで、自宅の生ごみを家で処理したいと強く願っており、EMバケツ、段ボールコンポストなど、コンポストと呼ばれるものをひと通り、いろいろ試してみたそうです。そんな中で息子さんが大きくなって家から出た時に、子どもが遊んでいた場所が空いたので、そこに生ごみを入れてみたらいいんじゃないか、と掘って入れてみたそうです。そうすると微生物が分解していくことに気づき、箱型にした方がいいだろうと、自分たちで設計をしたのが誕生だと聞いています。それが1995年の話です。その後、葉山でもゼロウェストを目指すことになり、葉山の近所の皆さんで、松本さんがやっていることを広めていこうと、そして箱も設計して名前もつけよう、ということでキエーロという名前が出てきたと聞いています。
土の中、空気の中には、見えない菌、つまり微生物がたくさんいます。土からできたものは土に還るということは、理科の実験で皆さんわかっていると思いますが、黒土の中に生ごみを入れると、1週間、2週間で微生物の力でなくなります。松本さんは、よくそれを箱にしただけ、これは地球の普通の循環でそれを利用しているんだよ、と言われます。特に何が入っているわけでもなく、何か足すことも特になく、ただ土の中に入れていくと、二酸化炭素と水に分解する。そして特別土が増えて行ったりもしません。土を変えることも特別必要がないので、ランニングコストがかからないこともキエーロの特徴かなと思っています。
平野さん:ただキエーロは設計にポイントがありまして、密閉するという形を取らなかったことです屋根は透明のポリカという波板を使っています。蓋というか屋根をつけていますが、角度をつけて、風を通すようにしています。あとは太陽光によて、土の温度が上がるように透明なポリカを使ったというところに大きな特徴があります。屋根をつけた理由は、雨を防ぐためです。雨がの水を含んでしまうと、やはり腐りやすくなったりしますので、それを防ぐために屋根をつけています。
タイプは2種類あって、ひとつは底が抜けていて、直に土におくもの。もうひとつはベランダでできるように、下に底があるものがあります。直置き型の方は結構大きいですが、それは土の量が多ければ多いほど、分解する速度もはやくなるからです。我が家は4人家族ですが、今問題なく処理されています。
また鎌倉市であれば、コンポスト容器の購入に9割の補助が出ます。2010年からこの補助制度は始まっていますが、みんなが使えば結構な費用負担になるのではないかと思いますよね。でも、燃やすごみの処理費用というのが、市の中でもかなり負担になっているということで、市民のみなさんに自宅処理をしてもらう方が、よっぽど費用削減になるそうです。鎌倉ではキエーロだけではなく補助が出ます。
キエーロでよく受ける質問に、何が入れられますか?というものがあります。LFCコンポストとみみずのお話を聞いたので皆さんもなんとなくわかってきたと思いますけれど、生ごみだったらなんでも入れられます。ティッシュまで入れる人もいますし、天ぷら油とかも入れられます。ドロドロになったりませんか?と聞かれますが、かなりちゃんとサラサラの土に戻ります。むしろ微生物は油が好きだと言われています。フレッシュな野菜よりも。キエーロはシチューとか、カレーとか、ちょっと塩分が高いものも入れられます。堆肥として使うということになると考えるひともいますが、塩分が高いものを入れていてもそのまま堆肥として使っている方も実際にいらっしゃいます。私は家庭菜園はやらないので、ただただ消滅させているので、なんでも入れています。
微生物ももちろん口がないので、とにかく小さく刻むのと、あとフードプロセッサーでもっと細かくする。あとは一日容器にためて一次発酵をさせるという方もいらっしゃいます。私は冷凍しています。
次はやり方ですね。やり方は本当に簡単で、15cmから20cmぐらい土を掘ってですね、そこに生ごみを入れます。お水も足したりします。生ごみだけの水分で大丈夫という方もいらっしゃいますが、私はお水を入れています。微生物が分解するときに、ちょっとほかほかするぐらいに熱が上がるので水分を入れます。そして最初に掘って横に盛った土を、上からさらっとかけるだけです。ポイントとしては、生ごみを上に出しておかないこと。虫とか匂いが発生してしまうので。最後は土を被せることが最大のポイントです。
最後になりますが、キエーロがこれからやっていきたいことを紹介します。自治体の皆さんがキエーロを推進したいという声も多くなったので、今、慶應義塾大学の先生と一緒に、キエーロの土の中に竹チップを入れたらどうなのかとか、そういった微生物の研究を一緒にやらせてもらっています。分解の速さなどの研究が進んでいるのと、またキエーロ全国協議会というのがありまして、みんなで話せる場所をつくっています。興味のある方がいらっしゃったら、Facebookでみてください。
続いて、キエーロ平野さんへの質問に移りました。
ー箱にすると微生物の分解がはやいとおっしゃっていましたがなぜでしょうか?
平野さん:土だけに入れる時ももちろん分解すると思いますが、冬場だとただの土だと凍ってしまったりすることも多いです。ポリカの板を使うことで太陽の熱を取り込んで保温できるように光を当てられる箱にした方が温まると思います。断熱のためということで。
ー堆肥として使うためには何か処理が必要ですか?このまま取り出してすぐ使っちゃってもいいですか?
平野さん:全国の皆さんで、その挑戦もやっていますが、皆さん処理していないです。お野菜をつくれている方もいます。残念なのは、ここまで感覚値でやってきたところがあります。使ってみることをやっている人はいるので、処理はしてませんというのが回答になります。
ー堆肥として使う場合栄養過多になりませんか?土を変える必要がありますか?
平野さん:変える必要はありません。私も10年とか使ってますが、変えていないです。
最後のプレゼンテーションのEM生活の石川さんに移りました。
生ごみが肥料になる!庭の土が改良できるEMボカシ
石川さん:私はEMボカシを使って生ごみを肥料にする方法をお伝えします。まず、私の自己紹介をいたします。私は1982年生まれの山口県出身です。高校の時に、EMというものが沖縄にあることを塾の先生から聞きました。それが、しかも砂漠を森に変えることができると聞いて、すごいと思い、「絶対行くしかない」と思いました。それで、一生懸命勉強して、なんとか入学しました。入学すると先生が退官する三年前、私が入学してから三年後にはもう辞めなければならないというタイミングで、なんとかギリギリセーフで入りました。その後、結婚して妻と子供たちと一緒に沖縄でEMの活動をしたり、岩手県や愛知県でEMの活動をサポートしています。そして今日は、EMボカシを使って、生ごみを漬物に。発酵の力という風に発信してもらいましたが、それでは、その最大の特徴をお伝えしたいと思います。
まず、嫌な匂いがしないこと、アンモニアなどが発生しないことです。また、発熱もしないので、暖かくなりません。そして、量が減りません。
アンモニアというのはNH3といって、植物の三大栄養素の窒素(N)が含まれるんですよね。アンモニア臭くならないので、窒素が抜けださないことがとても重要な特徴です。発熱するということは、好気性。つまり空気が好きな微生物がいて、その微生物が活動することで、熱が出るんです。ただ、今日紹介するEMボカシをつかった方法はそんな微生物の働きではないので熱が出ないのです。すると熱エネルギーとしてカロリーが出ていかないんですよね。また、漬物みたいに発酵するので量が減りません。が、土に入れるとすぐに速やかに分解するという特徴があります。
一言で言うと、「生ごみを全部肥料にできること」が、EMボカシを使い処理した最大の特徴です。そして、いわゆる食品残渣の栄養分をすべての植物の肥料に変えることができます。最近、肥料がウクライナの影響でとても高くなっています。化学肥料の価格が二倍や三倍になっています。困っている方に、生ごみを肥料に変えるこの方法を使ってもらうといいかなと思います。
EMって何?という質問があります。EMは沖縄で作られ、発見されたもので、EM菌と呼ばれ親しまれています。
石川さん:特殊な菌ではありません。乳酸菌と酵母と光合成細菌からつくられています。乳酸菌はヨーグルトやチーズをつくる菌、ビールやパンを作る酵母そして、光合成性細菌は、たとえばくもりが続いた季節でも、これをかけ続け、効果が発揮されると、光合成を助けてくれる菌です。紫外線とか赤外線を使って植物の光合成を助けてくれます。あと、マグマの中にいたという古細菌の仲間ともいわれています。この菌がダイオキシンを分解したり、放射能を低減してくれたりとか、いろんな効果があるのは分かっているんですが、実験室の外に出ると、いわゆる環境中ではあまり効果を発揮しないんですよね。でも、乳酸菌と酵母が雑菌がいない状況を整えると、この光合成細菌の効果を発揮するということがわかっています。そんな光合成細菌が発酵を支える菌とバランスよく含まれていることがすごく特徴的です。しかも40年前に作られた当時はひとつの資材にひとつの菌というのが常識でした。当時の日本の学問の世界では、さまざまな菌をブレンドしたというのも非常に特徴的です。EM菌と言っていただくんですが、そういう有用な役に立つ小さな生物の集まりを英語にすると、Effective Microorganisms(エフェクティブマイクロオーガニズムス)という言葉になります。僕の恩師の比嘉先生がその頭文字のEとMを取ってEMという言葉を作りました。なお、アメリカでは菌の輸入ができないので、現地で作っています。ロシアでもEMが活躍して、寒いところでもしっかりと大きい大根を収穫した事例もあります。
では、EMボカシを使った生ごみ処理のことを紹介しますね。まず、生ごみは新鮮なもので、細かく刻んだもの。そして、米糠をEMで発酵させたEMボカシを使います。。EMっていうのはこういう茶色い液体です。そしてEMセラミックスという、イギリスと愛知県瀬戸市にしかない地層から出てきた土にEMを入れて焼くと、発酵が非常に促進される資材ができます。この生ごみ処理バケツにはセラミックスが練り込まれていまして、このバケツを生ごみ処理に使います。新聞紙を用意します。まずバケツの底に新聞紙を敷いて、EMボカシを引いて、細かく切った生ごみを入れて、混ぜて、またEMボカシを入れて、蓋をして、これをどんどん繰り返していくと、下から液が出る時もあります。この液は肥料になります。家庭によっては2週間や10日ぐらいで、このように生ごみ処理が完成します。これを土に返したり、プランターの中に入れて寝かせて、肥料として使います。ただ、EMボカシを使った生ごみ処理が苦手なこともあります。量が減らないので、大量に生ごみを処理したい時には、不向きです。あとは、植物の隣に肥料として入れると、根が焼けることがあり、根腐れすることがあります。土の中に入れて1ヶ月寝かし、なじませる期間が必要です。
そういった短所もあるんですけれども、もともとこの開発をした比嘉先生の大きな目的は、生ごみがどんどん肥料になったらいいということです。人口が現在は80億人ですけれども、100億人、150億人となる可能性は否定できないです。そして、それでも食料の供給ができるような、そういう地球の環境を目指しています。あとは、お金や数値で測れない豊かな社会を作るために、今まで捨てていたゴミだったものを肥料などに転換して、そうするともっと豊かな社会になるだろうと、僕の恩師は確信したんですね。そういう社会になるために、生ごみの処理を全国や世界中で進めているのが、EMボカシを使った生ごみ処理です。駆け足でしたけれども、以上です。
続いて、石川さんへの質問タイムに移りました。
ー堆肥をつくらない、畑を持たない方は対象外になりますか?
石川さん:土に埋められないということですよね。まさにその時はキエーロさんやLFCコンポストさんの出番だと思います。ただ、たとえば引っ越した時に庭の土で園芸したいのに、そんなにいい土じゃないね。使えないねっていう時には、EMを使って生ごみを土に還すことによって庭の土が蘇るという効果があるということです。
ーランニングコストを教えてください。
石川さん:自分でつくれば、このEM1号という液体と米ヌカ、いわゆる玄米を精米した時に出てくる米ヌカでEMボカシをつくることができます。このEM1号はリッターで2,200円。あと1,100円の糖蜜というものがあり、これで100キロぐらいのEMぼかしが作れます。ただ時間が必要で、手間がかかります。売っているもので言うと300gのEMぼかしを110円で販売しているので、ひとつのバケツ、10Lの小さなバケツでしたら、EMボカシは2キロぐらいあればいいので、だいたい7袋必要で770円の維持費です。ただ初期費用で、生ごみ処理のマジックボックスを買ってもらうことが必要なので、サイズ11Lは2300円、サイズ18Lは3060円です。
ー嫌気性の分解でメタンガスは発生しないのでしょうか?
石川さん、匂いは確かに出ます。 米糠の発酵で味噌のような匂いになるからです。メタンガスはでないです。腐敗の臭いというよりは、発酵が進んだ匂いがします。
芳しい甘酒のような匂いになることもありますが、処理する生ごみによります。蓋がきつめなのですが、しっかり蓋をしていないとすぐに腐ってしまうので、とても密閉が重要です。嫌気性ですから空気に触れないことがとても重要です。
この会の主催でもある、鎌倉コミュニティコンポストプロジェクトの発起人であり、鎌倉・材木座「関係案内所はつひので」を主宰する、小林ななみさんから、コミュニティコンポストとはつひのでの紹介タイムとなりました。
小林さん:まず、私自身も今日発表された方々のコンポストを色々使わせていただいたりしていますし、今どんなものが自分に合っているんだろうと探しているところです。今回の会で自分に合ったコンポストが見つかったら幸いです。今回主催させていただいた背景と今取り組んでいること、私たちが取り組んでいることについて簡単に説明させていただければと思います。
今、紹介させていただいた「はつひので」という場所は、もともと街の酒屋さんでした。人が休憩したり、皆さんお酒を飲んで楽しんだりする場所です。しばらく閉じてしまっていたので、新しい形で復活させようと始まった取り組みになっております。鎌倉は本当に面白い人たちが多い街で、そういった方々に私たちを紹介したいと思っています。鎌倉のローカルコミュニティを紹介するというコンセプトで関係案内所と名付けております。こんな場所ですね。
ぜひみなさんもよかったら遊びに来ていただけたら嬉しいです。私たちは街に愛着を持って、そういった町に対してアクションを起こす人が増えていくことがすごく大事だと思っています。最初に街の中で友達を作ろうというところで、いろんなイベントを企画したり、プロジェクトを立ち上げたい、お店を開きたいという方たちのサポートをさせていただいております。街の最終単位は人だと思っていて、ひとり一人がアクションを起こすことによって、街や地球もより良くなっていくというところを、私たちは目指しています。毎週水曜日は美味しいご飯とお野菜でお昼のランチ会を開放していますね。はい、法人企業も何社か入っておりますので、シェアオフィスとしての機能もあるということですね。
コミュニティコンポストプロジェクトといったプロジェクトを二ヶ月前から始めております。色々なその生ごみを試しに持ち込んでくださるご近所さんや、興味を持ってくださる方が結構増えてきていますが、やっぱりよく質問いただくのが本当に匂いは大丈夫ですか?虫とか寄ってきませんよね?という話ですか?
みみずとキエーロの何が違うの?というような質問を受けることが多いので、だったらコンポストサミットという形で、初心者の方でも気軽に学べたり、皆さんからお話をしていく機会ができたらいいなと思って、この企画が始まりました。そして、みみずを研究している方とまた別で話す機会もあったんですが、そういったこの研究者の方もコンポストがすごく気になっているそうですが、やっぱりなかなか繋がりを持つことができないという話もあったので、コンポストサミットを通してコンポストに取り組んでる方や微生物、動物を研究されている方々のプラットフォームができていったらいいなというのを、皆さんの話を聞いて思ったりしたところでした。
ところで、コミュニティコンポストに関しては、今回、モデレーターの松原佳代さんと一緒に始めました。サステイナブル領域においては、生活者とコミュニティと自治体が一体になって取り組んでいかなければ間に合わないところもあります。私たちとしても、はつひのでのコンセプトとして、コンポストを自分たちだけで使うのではなく、街の方と一緒に使っていくことの方が相性がいいなと思い、このプロジェクト自体は始まりました。実際、鎌倉市も2025年には焼却炉が廃炉になる予定です。私たちの出してるものを少しずつ何か変換させていくことが必要だと思っているので、少しずつまずは始めてみようということで始まりました。なので、私たちも、人口の17万人の0.1パーセントを、まずは目指そうと思っておりますので、ぜひコミュニティ材木座コミュニティコンポストにご参加いただける方はぜひお待ちしております。
今、みみずちゃんの話もありましたけど、私たちもみみずちゃんに来ていただいて、本当にみみずちゃんと共に暮らす、飼い始めたという気持ちでみみずと一緒に暮らしております。なので、自分に合ったコンポストが身近に増えていくっていうところが大事だと思っておりますので、ぜひ今回の話を聞いて、何かご近所さんと一緒にみみずコンポストをやってみたい!といった形で、コミュニケーションコンポストを始める方が増えるととても嬉しいなと思っていますですね。で、生ごみを持ち込むっていったところなんですが、私たちのコンポストコミュニティコンポストもまだまだ小さいっていったところもありますので、試しにちょっとやっていただいて、一回持ってきてもらうっていったところもできるんですけれども、大きく毎日持ってこれる形を、来年以降を目指している形です。なので、今やってることとしては、こういった勉強会の開催ですとか、一緒にコンポストをDIYすることです。このURLから飛んでいただければジョインしていただけるので、ぜひ皆さんのご参加をお待ちしておりますというところです。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、登壇された4名の方に、いくつかコンポスト全体に関する質問に答えてもらいました!
ー分解スピードを上げるためにはどうしたらいいのかという質問をもらっています。さまざまな堆肥化の方法を研究されている循環生活(LFCコンポスト)から木村さん、よろしくお願いします。
木村さん、分解スピードですね。好気性のコンポストでは、もう後は酸素と栄養と水分の条件を整えるだけです、と私たちはいつもお伝えしています。たとえば生ごみの量が多くて、酸素があまり入っていない場合はよく混ぜることが必要です。また、水分が絶対に必要なので、水気の多い生ごみを入れることを推奨しています。さらに、カロリーで何とかしたいという時は、油っぽいものを入れるのもひとつです。
ー日本全国でコンポストを広げていくためにはどうしたらいいか、アイデアはありますか?順番にみなさんに伺いたいです。
久保さん: そうですね。もちろん、そういうみみずやいろんなことを学ぶ場所が身近にないと広まらないということと、さっきのコミュニティと自治体との話があったと思いますが、自治体が各家庭で生ごみは自分で処理してくださいという形を作っていくために、僕たちみたいな企業や団体のがしっかりと活動して、その土壌を作るということが並列で行われないと無理じゃないかなと思っています。だから、その目標地点をどうするか。全家庭で生ごみがちゃんと堆肥化されて使われる仕組みを考えることも必要なんじゃないかと思います。
平野さん;こういう会を本当にどんどんやるっていうのももちろん大事ですね。なんかすごく楽観的な考え方なんですけど、楽しそうに私も実はやっていると、ちょっとキエーロをやってみたいっていう声があったりもするんですよね。あと、SNSとかで発信すると、やっぱり問い合わせが結構増えたりするので、生ごみ処理は燃やす方法だけではないっていうことを、本当にかっこよく、楽しそうに発信をどんどんいろんな人がやってると、あの人も始めたんだみたいなところで、またこうやる人が増えていくと考えています。なので楽しくみんなで発信をしていくことが大事かなと思っております。
石川さん:いろいろな方法で広められると思います。ひとつは、どんどん化学肥料が高くなると、もう自分で買えないよ!ってどうする?っていう風に迫られる時がくると思います。じゃあ生ごみ捨ててる場合じゃないよねってなると、みんなが変わるかなと思います。このちょっとネガティブな流れがひとつです。もうひとつがですね、この今日のみなさんのコンポストでできた資材は、土壌改良資材になるし、EMボカシは肥料になりますが、この発酵の力を使って作ったお野菜とか、果物とか、お花の素晴らしさ、おいしさ、花の大きさ、色鮮やかさっていうのは、見た人・食べた人・触れた人はみんなすごいと感動するんですよ。例えば、学校で生ごみ処理をつかってお野菜を育てる授業をする時には、トウモロコシなどを植えるんですよね。そうすると、一本のトウモロコシにひとつの実しかつけないんです。2つ以上実らせると栄養が分散して実が充実しないのです。けれども生ごみのパワーが強いので一株に二本も三本もつけても、立派なトウモロコシが収穫できるんです。プラスアルファかぼちゃがですね、植えてもいないのに生ごみの中に種が入ってるので横に伸びていきます。その2つが太陽の取り合いをしないんですよね。上に伸びるトウモロコシと横に伸びるカボチャなので、光を奪い合わないのです。そしてそれを食べたらすごく美味しい!そういう感動が広まることが全国にコンポストを広げていくことにつながると思います。以上です。木村さん:私たちのNPOは、キャッチコピーを「楽しい循環生活」と置いていますが、もうまさに楽しいっていうのはすごい大事で。いまEMの石川さんおっしゃっていただいたように、私たちも楽しいっていうのは世の中では「おいしい」が含まれていると思っています。それを文化にしていく、ことがやっぱりすごい大事です。行政がお金をかければ一気にできるところもあると思いますが、それではあんまり意味がないと思ってるところがありまして、生活するみなさんの中でそれをやるのが当たり前だよねとか、やるとかっこいいよねとか、やると楽しいよねとかといった文化になることが、私たちの目指すところだなと思ってます。
松原:皆さん、すばらしい回答をありがとうございました。やはり身近なところで、循環をどれだけ楽しくつくっていけるかということを、みなさんと一緒に私たちもつくっていきたいと思っています。これからもこういった集いを皆さんと一緒に開いていきたいと思っています。ありがとうございました。
関連URL:
キエーロ https://kieroofficial.wixsite.com/kiero
EM生活 https://www.em-seikatsu.co.jp/
ローカルフードサイクリング株式会社/LFCコンポスト https://lfc-compost.jp/
NPO法人循環生活研究所 https://www.jun-namaken.com/
光和商事 http://www.kowas.co.jp/
金子みみずちゃんの家 http://www.kowas.co.jp/mimizu/
編集:composter編集部