話題!カリフォルニアで人体の堆肥化が合法に。2022年合法な5州は?

 
 

2022年9月18日(アメリカ西海岸標準時)、米国・カリフォルニア州で人体の堆肥化を認める法案に知事による署名がなされました。世界中で今「composting」といういといちばんの話題になっているこのニュースについて、経緯や周辺の事業を紹介していきます。

ちなみに英文では、human composting もしくはnatural organic reduction (NOR) 、the reduction of human remainsと表現されています。


この法案の発案者は、カリフォルニア州の州議会議員CRISTINA GARCIA(クリスティーナ・ガルシア)氏。2020年の2月に法案351を出しました。

当時のプレスリリース(※1)によると、ガルシア氏がこの法案を提出した理由を以下のように述べています。

“The wildfires, extreme drought and heat dome we just experienced remind us that climate change is real and detrimental and we must do everything we can to reduce methane and CO2 emissions. This is an alternative method of final disposition that won’t contribute emissions into our atmosphere and will actually capture CO2 in our soil and trees. For each individual who chooses NOR over conventional burial or cremation, the process saves the equivalent of one metric ton of carbon from entering the environment.”


(以下翻訳)
「私たちが経験した山火事、極度の干ばつ、暑さによる被害は、気候変動が現実的で有害であり、メタンと二酸化炭素の排出を減らすためにできることはすべて行わなければならないことを思い起こさせます。NORは、大気中にCO2を排出することなく、土壌や樹木にCO2を取り込むことができる従来の方法の代替です。従来の埋葬や火葬ではなくNORを選択することで一人あたりのこのプロセスは1トンの炭素に相当するものの排出を止め、環境を救うことになるのです。」


また、この根拠として同プレスリリースには以下のように述べられています。

・California's rate of cremation was 66.7 percent for 2018, according to estimates by the National Funeral Directors Association. But cremation requires fossil fuels and emits CO2 into the atmosphere, polluting and contributing to climate change. 

・If every California resident chose natural reduction as their after-death preference, we would save nearly 2.5 million metric tons of CO2 in just 10 years. That’s carbon-savings equivalent of the energy required to power 225,000 homes for one year or the letting 65 million seedlings grow into trees over 10 years

・To underscore the safety and viability of the natural organic reduction process, Recompose collaborated with Dr. Lynne Carpenter-Boggs, professor of Soil Science at the College of Agriculture, Humans, and Natural Resources Sciences at Washington State University. This 2018 scientific study found all safety thresholds were met, heavy metals were well under EPA limits, and over 95% reduction in pharmaceuticals that were tracked during the study.

(以下、翻訳)
全米葬儀業者協会の推計によると、カリフォルニア州の火葬率は2018年で66.7%でした。しかし、火葬は化石燃料を必要とし、大気中にCO2を排出し、汚染を引き起こし、気候変動の一因となっています。

もし、カリフォルニア州民全員が死後の嗜好として自然減を選択すれば、わずか10年で約250万トンのCO2を節約することができます。これは225,000世帯の1年間の電力消費に必要なエネルギー、または6,500万本の苗木を10年間で木に成長させるのに必要なエネルギーに相当する二酸化炭素削減量です。

自然有機還元プロセスの安全性と実行可能性を強調するため、リコンポーズはワシントン州立大学農学・人文・自然資源科学部の土壌科学教授であるリン・カーペンター・ボッグス博士と共同で研究を行っています。この2018年の科学的調査では、すべての安全基準値を満たし、重金属はEPAの基準値を大幅に下回り、調査中に追跡された医薬品は95%以上削減されたことがわかりました。

 

詳細は、法案に署名がされた時のプレスリリースをどうぞ(※2)。

実際に堆肥化を事業としている会社も存在

Katrina Spade(カトリーナ・スペード氏)がファウンダー兼CEOをつとめ、シアトルに拠点を置くRecomposeは、実際に人体の堆肥化に長年取り組んでいます。2001年にカトリーナ氏は、息子と庭で遊んでいる時に、子どもの成長と共に自分の死について考え始めたのがきっかけとか。それ以来、研究と実際にどうやって堆肥化を行うかの設計へと進み、2017年に同社を設立しています。

なお同社によると木材チップや藁と一緒に密閉したのち、6週から8週で土に還り、遺族の元へと渡るそうです。庭に撒いたり、使い方は自由だそうですが、引き取りたくない場合(一部でも)には、ワシントン州南部にある 700エーカーの保護された土地であるベルズ マウンテンに寄付という形を取ることも可能とされています。

価格は$7,000(2022年10月22日現在 Recmoposeサイトより)です。

2022年現在、合法な5州はどこ?

初めて合法化したのはワシントン州で、2017年に合法となりました。そのあと、2021年にオレゴン州、コロナド州が続き、2022年にバーモント州、そしてカリフォルニアを加えて、現在5州となっています。


火葬や土葬など、さまざまな終わりの形はありますが、この堆肥化が近い将来、日本でも選択肢のひとつに入ってくるのか、見守っていきたいところですね。

文:composter編集部

※1 ASSEMBLY BILL 351 – BURIAL REMAINS SIGNED BY GOVERNOR

https://a58.asmdc.org/press-releases/20220918-assembly-bill-351-burial-remains-signed-governor

※2 Bill to Allow Composting of Human Remains Introduced

https://a58.asmdc.org/press-releases/20200225-bill-allow-composting-human-remains-introduced

※3 Recompose
https://recompose.life/

 
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