フランスで2024年から堆肥化を義務に!パリではミミズコンポストを無料配布

 
 

フランスでは2024年から全国民に家庭の生ゴミの堆肥化が義務付けられることが決まりました。首都パリでは、ひと足先に、市民への堆肥化サポートが始まっています。自治体がコンポストの助成や配布をおこなっているまちは、日本国内にも複数ありますが、パリが無料で配布しているのは「ミミズコンポスト」。もちろんミミズもセットで配布していますよ。

パリのコンポスト計画は2014年からスタート

2014年の市議会で、リサイクルできる廃棄物の埋め立てと焼却を終わらせることを目的とした「廃棄物ゼロ」戦略を発表しました。その中で中心となる取り組みが食品廃棄物を減らすこと。そこから食品廃棄物を回収し、堆肥化する活動がスタートしています。

パリでは、2014年から毎年、2週間の堆肥化を促進するイベント「Tous au compost 」を開催したり、家庭向けの堆肥化講習をおこなったりと、さまざまな形で市がサポートしています。

家庭における堆肥化への対応方法

パリが提案する、堆肥化の方法は3種類あります。

  1. 市が設置するパリ市内の公園など公共の場に置かれたコンポストに持ち込む

    参加には登録が必要で満員御礼のところも多く、自分の家の周りで見つけたらまずは登録して順番待ちになるようです。

  2. 民間が運営するコンドミニアムのような集合住宅に置かれたコンポストボックスに持ち込む

    管理に参加する住民はコンポストに参加することができます。2020年時点ですでに市内に900のコンポスト容器が設置されたとのこと。

  3. 自宅にコンポストを置いて自身で堆肥化する

3番目の方法は、自身で好きなコンポスト容器を用意し堆肥化することです。家に庭や植栽がある場合には、堆肥をつくることができるので良い方法となります。

この3番目の方法を選ぶ市民のみなさんに向けて、市が無料配布しているのが上に書いたミミズコンポストです。

Pari’s worm composting

https://mairiepariscentre.paris.fr/pages/composter-a-paris-15486 よスクリーンショット

なぜミミズコンポスト?

数多くあるコンポスターの中でもミミズのような生き物による分解のコンポスト容器を配布する経緯が、パリのコンポスト計画 2014-2020の中に書かれていました。

Ce système se présente généralement sous la forme d’un bac fermé constitué de plusieurs étages dans lesquels des vers de fumier (Eisenia fetida et Eisenia andrei) digèrent les biodéchets. Leur capacité d’absorption remarquable (chaque vers digère l’équivalent de la moitié de son poids en déchets par jour) permet de transformer très rapidement les matières organiques en compost et en lombrithé, un engrais liquide très riche en nutriments. Contrairement au compostage en bacs, cette technique ne nécessite pas d’aération et demande peu de matière sèche : l’apport ponctuel de cartons suffit à réguler l’humidité du milieu et favoriser une bonne décomposition

(https://cdn.paris.fr/paris/2019/07/24/bcfe293f7ccd090daaba249150202ba4.pdf P7より抜粋)


このシステムは通常、いくつかのフロアで構成された閉鎖タンクの形をとっており、そこで糞虫 (Eisenia fetida と Eisenia andrei) が生物廃棄物を消化します。それらの驚くべき吸収能力 (各ミミズは 1 日あたりの廃棄物の重量の半分に相当する量を消化する) により、有機物を非常に迅速に堆肥やロンブリテ (栄養素が非常に豊富な液体肥料) に変換することができます。ゴミ箱での堆肥化とは異なり、この技術は通気を必要とせず、乾物もほとんど必要としません。環境の湿度を調整し、良好な分解を促進するには、段ボールを時々供給するだけで十分です。

(上記を翻訳)

堆肥化のためのスピードと手間が最適と判断したのでしょう。上の写真で紹介されているようなカラフルなミミズコンポストだったら、リビングに置いても家族で楽しめそうですね。

子ども向けのミミズコンポストのテキストブックも配布していました。

https://cdn.paris.fr/paris/2019/07/24/cac8906d634f4cdfc76bd76124f8b766.pdf

パリに学ぶコンポスト術ということで、フランス語ではありますが、上記ブックには簡単なミミズコンポスト情報がまとまっているので覗いてみるのもよいでしょう。

文:composter編集部

 
Previous
Previous

話題!カリフォルニアで人体の堆肥化が合法に。2022年合法な5州は?

Next
Next

京都のホテルと高校がタッグを組んだホテルレストランのコンポストプロジェクト