グリーンとブラウン。C/N比の話【覚えておきたい!コンポスト用語辞典 #004】
コンポストをやっていると日常使わない言葉に出会うことがあります。このコンポスト用語辞典では、そんな言葉の意味や、それにまつわる情報を紹介していきます。
#004のテーマは「グリーンとブラウン」です。英語でも、green materials と brown materials です。
コンポストを設置し、さあ、開始しようと思った時に必ず出会うこの用語について、そしてグリーン、ブラウンの話をするときに、欠かせないのがC/N比のこと。今回はこれがテーマです。
グリーンとブラウン
コンポストに投入するもののもつ性質によってこの二つは分けられます。色の話ではありません。炭素を多く含む、ごみや素材をブラウンといい、窒素を多く含む、ごみや素材をグリーンといいます。一般的に、このブラウンとグリーンの重量比率を半々にして投入するのが良いとされています。
炭素と窒素!C/N比の話
微生物が分解する時には、炭素(C)と窒素(N)が重要な役割を果たすと言われています。炭素はエネルギー源となり、窒素はその微生物の成長に必要なタンパク質などを有し、そのバランスによって、微生物の分解スピードや、それを活用して植物を育てる場合その生育に変化が生じます。その炭素と窒素の比率を現したのがC/N比と呼ばれるものです。
最適なC/N比は炭素30に対して、窒素1と言われており、C/N比が高すぎる、つまり炭素が多いと微生物の成長に十分な窒素がないため分解が遅くなります。C/N比が低いと、窒素が微生物にたくさん取り込まれ分解は速く行われますが、匂いの原因になります。
炭素が多い堆肥で植物を育てると、微生物が窒素を使ってしまうため、植物は窒素飢餓と呼ばれる状態となり、葉が黄色くなったりします。逆に窒素が多い堆肥で植物を育てると、根が根腐れを起こしたりして、根こぶ病や、青枯れ病などの発生に繋がるとされています。コンポストは、適切なC/N比の堆肥をつくる取り組みと言えます。
ホクレンの肥料のサイトにある「Q-05 C/N比とは何ですか?」のページにとてもわかりやすくまとまっていますので紹介しておきます。http://www.hiryou.hokuren.or.jp/qa/q03_05_01.html
グリーンとブラウンに分類されるもの
グリーン(窒素が多い)に分類されるものは、フルーツや野菜などの食物残渣、つまり生ごみです。あとは植物の葉っぱ、海藻など。水分が比較的多いものがこちらに分類されます。
そして炭素が多いブラウンは、落ち葉、藁、枝、新聞やコーヒーフィルターなど紙類、ダンボールなど。乾燥した木を原材料としたものと、記憶に留めておくと良さそうです。
C/N比をうまくコントロールしてよい堆肥づくりを目指しましょう。
文:composter編集部