2023年に注目したい、海外のコンポスト・スタートアップ
近年、世界各国のスタートアップがさまざまなコンポストプロダクトを発表しています。2022年に話題となり、2023年も注目したいコンポスト・スタートアップとそのプロダクトを紹介します。
生分解性のスマートフォンケース「Pela」の企業が開発した電気式コンポスター「Lomi Home Composter」
2011年に設立されたOpen Mind developmentsによる電気式のコンポスター。カナダのサスカチュワン州に本社をおき、生分解性のスマートフォンケース「Pela」の開発企業でもあります。プラスチック廃棄の問題に「Pela」という形で解を出した同社が、次に取り組んだのは食品廃棄の問題でした。
家庭のキッチンにおける小型サイズの「Lomi Home Composter」(以下、Lomi)は、電気で駆動します。3Lサイズに入るだけの生ごみがボタンひとつで80%の量に減少し、そのまま土に埋めることができる状態になります。
製品が発表されたのは2021年。クラウドファンディングサービス「kickstarter」で公開されると話題を集めました。正式発売後は、まるで炊飯器を使うように、マンションなどでも省スペースで生ゴミを処理できるプロダクトとして、米国を中心に利用者が増えています。オフィシャルサイトでは、Lomi1台をつくるのに使われるCO2の量も開示。推奨する使い方をすれば、このCO2は3.5ヶ月で回収できるとされています。
本体価格は、499ドル。90回利用ごとにフィルターの取り替えが推奨されており、その価格は$84.95となっています。
製品サイト https://lomi.com/
オーストラリア発スタイリッシュなミミズコンポスター「subpod」
subpodはオーストラリア・バイロンベイを拠点とするスタートアップです。subpodは独自開発したミミズと微生物分解のコンポスト容器を販売しています。2019年に庭に埋め込む形のコンポスト(subpod)を販売開始し、2022年にはより小型のsubpod miniの販売を開始しています。
2022年には、$800,000(約1億)の資金調達を実施しています。2022年の過去1年の売上は$6million (約8億)に到達しているとのこと。
ガーデンベッドや庭に、空気とミミズや微生物の出入りを可能とするコンポスト容器を埋め込むだけで簡単に始められることが特徴です。
水平方向に2層に分かれているミミズコンポストはこれまでも存在していましたが、庭やベランダ、ガーデンベッドに置いても違和感のないスタイリッシュなデザインと、蓋の内側にはどのような餌(生ゴミ)を投入していいのかなどの解説があったり、大きさがマッチするガーデンベッド(地面に直接ではなく、木やレンガなどで四方を囲みその中で栽培する花壇の一種)も販売することで、都市部で庭のないマンションやアパートに暮らす人の導入のハードルを下げたことが、このsubpodが注目されている理由でしょう。
本体価格は、220ドル。miniは143ドルです。※ミミズは含まれていません。
製品サイト:https://subpod.com/
いかがでしたでしょうか?アメリカのクラウドファンディングサービスkickstarterや、日本のクラウドファンディングサービスMakuakeなどに、今年もまた新しいスタートアップによるコンポストが登場することでしょう。気になる方はチェックしてみてはいかがですか?
※価格はすべて、2023年1月1日現在。
※subpodの画像はメディアキットより https://subpod.com/pages/media-kit
文:composter編集部