日本の広島発コンポストと土壌改質材「瀬織」がG7広島サミットで循環をつくる
広島県・三次市の浄水場から生まれた「せとうちコンポスト」が、2023年5月19日から21日まで開催された「G7広島サミット」に設置された「国際メディアセンター」に導入されました。キッチンから出た食品が「せとうちコンポスト」で堆肥へと変わり、地元の農家へ還元されるという循環がつくられました。
せとうちコンポストって?
広島県の三次市にある浄水場に溜まった汚泥から生まれた土壌改質材「瀬織」を主な基材として使うコンポストです。コンポストセットの中に入っているのは、「瀬織」の他の基材として、イネ科の多年草である「葦」、籾殻くんたん。そして、東広島市の建築廃材を使用したブルーシートのバッグと通常廃棄処分される広島の農家から提供された米袋。
使い方は、ブルーシートバックの中に生ごみを投入して1ヶ月半ほど一次分解をした後、米袋の中でさらに1ヶ月半ほど熟成させて堆肥をつくります。セットの中身はすべて広島県産、広島の職人やアーティストによってつくられているコンポストです。現在のこの「せとうちコンポストVol.02」は、「生原商店」のオンラインショップ、広島県内のお店などで手に入れることができます。
G7に導入された「せとうちコンポスト」
今回のG7では、その「せとうちコンポスト」が、世界各国のメディアの記者の取材拠点となる「国際メディアセンター」に導入されました。
キッチンから出る食物残渣をブルーシートバックの中に入れて回収します。キッチンに袋を置き、野菜や果物の食物残渣がコンポストに投入されたそうです。4日間という短い期間であったため、分解熟成は、そのバッグを地元の三次市の農家さんに運び、寄付し、そこで堆肥化を進めています。堆肥完成後には、広島の地元のお米や野菜をつくる農家さんに自由に使ってもらう予定とのことです。
今回国際メディアセンターの運営を受託し、導入を企画した株式会社コングレ東京MICE開発事業部 開発営業課 山田 尚忠さんは「当社はSDGsの取り組みを推進しているが、国際的なイベントの開催にあたり、サスティナブルな取り組みを検討している中で、瀬織のコンポストと出会いました。今回のキッチンでは、世界のプレスの方々に広島を味わってもらうため、広島県産食材をふんだんに取り入れたメニューを予定していました。瀬織なら、広島で生まれた食材を広島産の資財と混ぜて、栄養価の高い土として地元にグレードアップして還すことが出来ることに大きな意義を感じました」と言います。
世界でも珍しい、浄水場から生まれた「瀬織」という土壌改質材。浄水場の廃棄物のアップサイクルとして、これからも注目していきたいですね。
せとうちコンポストが生まれるまでのインタビューはこちら。
関連URL:生原商店 https://ikuhara-shop.myshopify.com/
写真提供:生原商店
文:composter編集部